【惜別乗車】信南交通694号車

むすまる(2号車)

2021年02月12日 07:00


昨年晩秋、信南交通694号車がひっそりと引退の時を迎えました。

この車は信南交通が2009年初に導入したエアロエースで、同社としては654号車に続き2台目の導入となった車両です。新型コロナウィルス感染症の影響で高速バスが軒並み減便となり、古参勢であるこの車は殆ど運行されなくなりました。感染症の終息を夢見て、車庫の片隅で出番を待っていましたが・・・ついに活躍の時を迎えないまま引退してしまいました。

今回は、そんな信南交通694号車と共にした最後の旅の模様をお送りしていきたいと思います。

*********************

新型コロナウィルス感染症がにわかに拡大の様相を見せてきた頃、折よく694号車が名古屋-伊那箕輪線に入った日がありました。当時、高速バスはまだ通常運行を続けていましたが、乗客だけが目に見えて激減していきました。まだまだ先行きに不安が募る中、ちょうど694号車を狙い撃ちして乗車できるチャンスが訪れていたわけです。

このままの勢いで乗客が減り続けたら、古参車の694号車は引退してしまうかもしれない。そうしたら、694号車にお別れをする機会は二度とやってこないかもしれない・・・。私自身のそんな思いと、同行して下さった方の完璧なプランニングのもと、今回の乗車旅は決行されました。

区間は高森~中津川の往復。短い旅ですが、694号車と旅路を共にすることが目的なのですから、これで十分です。

----

名古屋-伊那箕輪線SN14409便
8:30 箕輪発→栄経由・名鉄バスセンター行き

信南交通694号車

車種:三菱ふそう エアロエース
型式:BKG-MS96JP
年式:2008年式(導入は2009年)
ナンバー:松本200か694
所属営業所:信南交通 飯田本社営業所

※現在は引退済み

----


遠くから見慣れた信南カラーが近づき、高森BSに到着しました。車両は狙い通り694号車です。早速に乗車扱いを受け、車内へと進みます。

この日は後方に着座。

ここなら、694号車の車内をしっかりと目に焼き付けることができますし、6M70エンジンのサウンドも存分に楽しめます。まさに特等席です♪

スピーカー(サービスボックス)の横に装着された洋服掛け、カーテンの柄なども、信南交通の2012年以前のエアロエース独特の仕様となります。



ただし、各座席にコンセントは非装備です。古参級の車両なため、追加設置がされなかったものと思われます。

独特な唸りを上げるエンジン音を心地よく聴き、流れていく景色をゆったりと眺めつつ、694号車との時間を思い思いに過ごします。

長大な恵那山トンネルを抜け、神坂PAの手前にある馬籠バス停を通過したら、次は降車停留所の中津川です。乗車時間にして約40分。区間利用ができる名古屋線ならではの旅ですが、こんな形での区間利用をする人間は、我々以外だと現地にお住まいの方くらいなんじゃないだろうか(^^;

中津川BSには、ほぼ定刻通り到着です。

本当に短い区間ではありますが、694号車とのラストドライブは、これにて終了となりました。運転手さん、ありがとうございましたm(__)m

*********************

予想通り、私たちがこの旅を敢行してからしばらくして、694号車が稼働することは殆どなくなりました。そして、上述の通り昨年の晩秋には・・・。我ながら、嫌な予想ばかり良く当たるものだと苦々しく思ったものです。この旅に出かけた時は「また復活してくれるだろう」という感じでしたが、それでもこうして狙い乗車に踏み切ったあたり、実際は心のどこかでお別れを予期していたのかもしれないな、と述懐しています。私も名古屋線を中心として何度となくお世話になった車両ですから、思い入れもあります。それだけに、日々の記録や乗車の大切さを実感します。

私自身にも良き思い出をもたらしてくれた694号車の長年の活躍に、心よりの敬意を表して。今まで本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!!

関連記事