日産ディーゼル→スペースアローA→エアロエース

むすまる(2号車)

2019年08月27日 07:00

上田へやってくる西武観光バスの車両を見ていると、日産ディーゼルの高速バスの変遷を見て取ることが出来ます。

『変遷』とは何を指すのでしょうか?
それは、日産ディーゼルがバスを製造(厳密にはシャーシを製造)していた頃から、三菱ふそうのOEM供給へと移り、最終的に三菱ふそうとなるまでの過程のことです。

現状、上田近辺では、西武観光バスが担当する千曲線において、日産ディーゼルの高速車を見ることができます。同時に、西武観光バスではそのOEM供給車や、ふそう純正の高速バスであるエアロエースまでもが活躍しており、これらの車両がやってくる上田は非常に貴重な地域となりました。

それでは、その『変遷』を順番にご紹介していきましょう。

①日産ディーゼルだった頃
まずは、日産ディーゼルがシャーシを作っていた頃の車両です。

◆日産ディーゼル スペースアロー





西武観光バス1988号車(型式:PKG-RA274RBN)


日産ディーゼル純正のシャーシに、車体メーカー(コーチビルダー)である西日本車体工業の車体を架装した、「純正」スペースアローです。この車は、ライオンズカラーを纏った仕様となります。

②三菱ふそうOEM時代
続いては、三菱ふそうからOEM供給を受けて販売されていた、スペースアローA(エース)です!

◆日産ディーゼル スペースアローA



西武観光バス1989号車(型式:BKG-AS96JP)


どう見てもエアロエースじゃん!!

と思ったアナタ。

・・・実はその通りなんですが(^^;

おまけに、前述の1988号車、そしてこの1989号車ともに2009年式です。同年に純正日産ディーゼルのスペースアローと、ふそうからのOEM供給車が導入されているなんて面白いですね。もっとも、ふそうのエアロエースの発売開始年である2007年から日デへのOEMが始まっているので、かぶっていたとしても何の不思議もないのですが。

ボディやエンジンは三菱ふそう製となるエアロエース・・・もといスペースアローAですが、両車種ともにクリーンディーゼル機構は日産ディーゼル製のものを実装しています。今では当たり前となった尿素SCRによる排気ガス後処理システムは、バスでの実装は日産ディーゼルが先駆けです。つまりは、「見た目はふそう、中身は日デ」という感じの車体構成となっているわけです。

ちなみに、同じ年式の1988号車がライオンズカラーなのに対し、1989号車は「レジェンドブルーカラー」と呼ばれるカラーリングとなっています。

③三菱ふそう時代
最後は、名実ともに三菱ふそうの車両であるエアロエース(2013年式)です。

◆三菱ふそう エアロエース



西武観光バス1325号車(型式:QRG-MS96VP)


正直、この車が上田へやって来た時は驚きました。今まで全然見たことない年式の車だったので(^^;

この型式になると、エンジンやクリーンディーゼルシステムはダイムラー製のものに変わり、日デへのOEM供給も取りやめとなりました。したがって、この車は中身までふそう製となります。日産ディーゼルの面影はありません。。。

ときに、エアロエース自体は珍しい車ではありませんが、西武のエアロエースとなると殊更珍しい車のように感じるのは私だけでしょうか?

-------------------------------
今回は、西武観光バスの高速バスにおけるちょっとした小ネタをお送りしました。

このように、上田地域ではスペースアロー→スペースアローA→エアロエースへと至る歴史を辿ることができます。一見すると似たようなバスたちも、こんな変遷があるんだなと思って頂けたら幸いです(^^)

関連記事