今回の記事はちょっと趣向を変えて、伊那バスの高速バス・観光型車両の配置情報をまとめてみます。

というのも、伊那バスの高速・貸切車両に関しては情報が少なく、どうなっているのか?というご質問を頂く機会が増えてきたからです。アルピコさんほどの規模はないにしても、本社に全車が配置されている貸切車はともかく、転属などがある高速車の配置情報が掴みづらいのは納得です。

そこで今回は、伊那バスの高速バス車両にフォーカスして、私の知る限りの配置情報をまとめてみようと思います。完全にマニアさん向けの記事となりますが、どうかご容赦ください。もちろん、新宿線はバスロケにも表示されているので、じっくり解析していれば見えてくる情報ではありますが、興味のある方の負担を軽減するくらいのお役には立てるでしょう。

なお、本記事に記載の情報は全て2022年10月時点での情報です。転属などのリアルタイム情報は私のTwitterでも発信していますので、そちらをご覧頂ければと思います(当ブログ右下のTwitterアイコンからTwitterに飛べます)。また、特殊事情に伴う配置転換や、その他の機微情報などについては、これに関する憶測も含めて一介のマニアがあれこれ騒ぎ立てるのも違うと思うので、掲載しないこととします。

それでは、早速ご紹介して参ります!

〇高速バス車両編

まずは高速バス車両の配置情報からまとめてみます。高速車の車種は全て日野・セレガで、いずれもハイデッカー車両となります。各営業所の動きについても簡単に記載しましたので、ご参考までに。

伊那本社営業所
21180号車
25188号車
25189号車
25190号車
26191号車
26193号車
27195号車 計7台


本社は計7台の高速車が在籍しており、名古屋-伊那箕輪線、大阪-伊那箕輪線(アルペン伊那号)の定期運用のほか、新宿線の増発などを担当しています。基本的に車両の大きな動きがない営業所ですが、直近では2022年5月から2ヶ月ほどの間、25188号車が駒ヶ根営業所に転属し、7月になって戻ってきました。また、2022年9月2日よりアルペン伊那号の運行会社が変更となり、伊那バスの担当便が増加しました。それに伴って駒ヶ根営業所より26193号車が本社へ転属し、以降のアルペン伊那号は基本的に26193号車と27195号車が交互運行する形を取っています。

駒ヶ根営業所
29101号車(S)
29102号車(S)
30103号車(S)
30104号車(S)
30105号車(S) 計6台


駒ヶ根営業所は新宿-伊那駒ヶ根線の担当車両が計5台在籍しています。直近では、2022年7月15日からの新宿線増便により、駒ヶ根線における伊那バス担当便が全てSクラス化されました。そのため、もともと駒ヶ根にいたSクラス車・29102号車と30103号車に加え、29101号車、30104号車、30105号車が同月に松川営業所から転属してきました。これにより、直前まで駒ヶ根に在籍していた25188号車が本社へ、27194号車が松川へとそれぞれ転属することになりました。また、上述のようにアルペン伊那号の伊那バス担当便が増加したことに伴い、10月まで在籍していた26193号車が本社へと転属しました。なお、掲載の写真にある29102号車と30103号車のラッピングは、今年7月に2台とも解除されています。

松川営業所
26192号車
27194号車
27196号車
28197号車
28198号車
28199号車
01106号車
01107号車 計8台


松川営業所は、新宿-飯田線、飯田-長野線(みすずハイウェイバス)の運行が行われており、組成は全て4列シート車となります。横浜線、立川線も松川営業所の担当ですが、新型コロナウィルス感染症の影響で、現時点において全便運休となっています。かつて松川営業所に在籍していた新宿線向けのSクラスシート車は、2022年7月に全て駒ヶ根営業所の所属となりました。その関係で、2021年12月に松川→駒ヶ根へと転属していた27194号車が戻ってくることとなりました。27196号車も2021年12月~2022年1月まで駒ヶ根に所属していましたが、それ以後は松川へ戻っています。

〇貸切バス車両編

続いて、貸切バスの車両組成です。貸切車は全て本社に配置されており、セレガハイデッカー(ショートタイプ)とセレガスーパーハイデッカーがそれぞれ在籍しています。一時期に比べると数を減らしましたが、それでも全24台が在籍する大所帯です。特に、全高3.75mを誇るセレガSHDがズラリと並ぶ車庫の光景は圧巻です!

20829号車
20830号車
21831号車
21832号車
23833号車
23834号車
24835号車
24836号車
25837号車
25838号車
26839号車
26840号車
27841号車
28842号車
28843号車
29844号車
29845号車
01846号車 計18台

1842号車
1844号車
2145号車
2546号車
2947号車
2948号車 計6台



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こんな感じでざっくりとまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。コロナ禍の影響を受けつつも、相変わらず大量の車両が在籍していることに改めて驚きました。非常にコアな記事ですが、何かのお役に立てれば幸いです。

…もしローカル車の情報にもニーズがあるようだったらやってみようかな笑  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(1)伊那バス
名古屋ライナー甲府号は、ジェイアール東海バスと山梨交通とが共同運行する路線です。名古屋駅(新幹線口)と山梨県内西部・甲府駅・竜王駅までを結んでおり、朝夕に往復3便ずつが運行されています。内訳は、ジェイアール東海バスが1往復、山梨交通が2往復となります。また、往復ともに駒ヶ岳サービスエリアにて15分ほどの開放休憩があります。

・名古屋ライナー甲府号時刻表(→こちら

最近、休憩場所の駒ヶ岳SAへ撮影に赴くなど、何だかんだ関わりの出てきた当路線。せっかくなので利用してみたいと思い立ち、今回のバス旅行に出掛けてみた次第です。利用したのは15:00に名古屋駅を出る山梨交通担当の甲府4号。朝に長野を出る高速バスで名古屋まで赴き、名古屋駅(新幹線口)のバスターミナルで入線を待つことしばし。異様に重苦しいエンジン音と共に、一際存在感のある車が入線してきたのでした・・・

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名古屋ライナー甲府4号
15:00名古屋駅発→甲府・竜王行き



山梨交通C778号車

車種:いすゞ ガーラSHD
型式:KL-LV774R2
年式:2002年式
ナンバー:山梨200か515
所属営業所:山梨交通 敷島営業所

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やってきたのはなんとガーラSHDでした!
年式は2002年式、いわゆる「ガーラ2000」ということで、数多のバスが行き交う名古屋にあっても間違いなく最古参の部類に入る車でしょう。



ガーラの特徴的な外観に加え、中二階ボディの圧倒的な存在感。国産バスとしては最大の出力を発生するV8エンジン・8TD1エンジン搭載車ということで、どれをとっても最高にカッコいい車の一つだと思っています。今からこんな車に乗車できると思うと、とても楽しみです!

※ちなみに、記事を執筆している2022年9月上旬現在、C778号車の姿を名古屋で見ることは基本的にありません。突発的な代走などは有り得ますが、名古屋線の運用からは外れています。ご注意ください。

さて、バスターミナルに到着したC778号車は、待機バースでしばらく休憩した後、乗り場へと入線しました。

山梨県に向かうバスは通常4番乗り場から発車ですが、この日は3番乗り場からのようです。私はノンターボV8エンジンの音を心ゆくまで楽しみたくて、最後部座席を予約していました。乗車改札が始まったので、早速に乗車券を提示して車内へと入ります。

シートは写真のようなスタンダードシート。正座席40席(配列は9/11)、補助席なしのゆったり仕様となっています。なお、予約可能な座席は前から9番目までとなっているようです。


シートのヘッドカバーには "Yamanashi Kotsu Bus" の刺繡が入れられています。


また、元・観光バスだった車ということで、シート後方には灰皿が備えられているのも特徴(もちろん現在は車内禁煙です!)。


公式側後方にはトイレを備えます。このトイレボックスと、上述のようなシート配列となっている関係で、シートピッチは公式側の方が若干広めです。


さすがはスーパーハイデッカーというべきか、車内は天井が高く開放的でした。ガーラ2000らしい内装も目を引きます。







現行車両や通常のハイデッカー車との違いをあれこれ眺めていたら、まもなく発車時刻です。終点の竜王駅まで、ガーラSHDでの旅を目一杯楽しみたいと思います!

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定刻となり、ドアが閉められました。
ギアが静かに入り、8TD1エンジンの鼓動が一際高まります。

名古屋駅(新幹線口)のバスターミナルをぐるりと回り、山梨県への旅が幕を開けます。

そして、名古屋駅のほど近くにある名駅インターより名古屋高速へと入ります。


V8エンジンが唸りを上げ、バスはスムーズに高速へ合流。そのまま名古屋高速を小牧方面に向かって進み、小牧インターから東名高速へと入っていきます。


小牧JCTからは中央道へ。
ここまでくるとすっかりお馴染みのルートですね。写真は最初の高速道路バス停である桃花台です。


途中、恵那ICから中津川IC間において、雨のため交通規制がかかっていました。これは一般道を迂回か...なんて覚悟していたら、ちょうど規制が解除されるタイミングで通過となったようです。

パトカーの先導により、車列がゆっくりと進んでいきます。

ほどなくしてパトカーが車列を離脱し、中央道は通常運行に戻りました。結果的に大した遅れもなく、バスは順調に山梨県へ向けて走っていきます。恵那から中津川までの登りは結構きついので、回転数の上がったV8エンジンの音が心地よいです。

中津川バス停を通過。


ここから一気に高度を上げていきます。それに伴って、辺りには霧が立ち込めてきました...


長大な恵那山トンネルを抜けると、バスは長野県へと入ります。遅れもすっかり取り戻し、見慣れた上飯田のバス停を過ぎる頃にはほぼ定刻に戻っていました。


その後は高森バス停に停車し、乗車扱いは終了です。

意外...なんて言ってはいけませんが、名古屋ライナー甲府号は、山梨県内の乗降扱いだけでなく長野県南信地方での乗降扱いもあります。長野県内で乗降可能なのは、中央道昼神温泉・上飯田・高森の3ヵ所です。これらのバス停は、名古屋→甲府では乗車バス停、甲府→名古屋では降車バス停となります。

高森を出てから10分少々、休憩場所の駒ヶ岳SAに到着です。あいにくの天気だったこともあり、運転手さんが屋根のある駐車スペースに寄せて下さいました。









私はというと、せっかく運転手さんが配慮して下さったにも関わらず、雨に濡れながらC778号車の雄姿を写真に収めておりました。我ながら救いようがないなぁ...

きっかり15分の休憩を終え、バスは再び山梨へ向かって走り出します。まずは駒ヶ根市をサクッと通過。


続いて宮田村から伊那市へ。





旅の始発地であったはずの駒ヶ根市や伊那市の街並みが、どんどん遠ざかっていきます(^^;

それにしても、C778号車は年式を感じさせない見事な走りを見せてくれます。加速もギアもスムーズで、エンジンもまだまだ元気そう。2002年式ということで、いつ廃車になってもおかしくない年式ではありますが、そんな車をこんなコンディションで維持して下さっている山梨交通さんに頭が下がります。

ガーラの快走にただただ感激していたら、最初の降車バス停である小淵沢の降車案内がありました。いよいよ旅も終盤戦です。


中央道八ヶ岳→中央道長坂高根と降車扱い。山梨県西部の利用客が結構いるようです。

中央道須玉では、新宿-諏訪岡谷線に入る京王バスに遭遇しました。時間的に、上諏訪駅を16:50に出るKO3856便でしょうか。


双葉SAの入口から中央道双葉東BSに停車します。

中央高速バスが休憩で停車するサービスエリアですが、ここでは降車扱いのみ。普段とは異なり、休憩せずにすぐ発車というのも、なかなか新鮮です。

バスは甲府昭和ICで高速道路を下ります。インターを降りた先にある甲府昭和(中央道昭和ではありません)でも降車扱いが行われます。


雨に加え、夕方の帰宅ラッシュでやや混雑気味の市街地を抜け、定刻より少し早めに甲府駅へと到着。バスターミナルでは、19:00発の新宿行きを担当する富士急バスが乗車改札中でした。

甲府駅でほぼ全員のお客さんが降車しましたが、私はここから先の終点・竜王まで参ります。

ロータリーを出るところで、凄い並びが見えました。山梨交通鰍沢営業所のC727号車と、富士急バスF1872号車です。

古参のキュービックと、最新型のブルーリボンがこうして並んでいるのも、甲府駅ならではの光景ですね!

甲府駅から竜王へと向かう道中、今度は富士急バスの貸切車とすれ違いました。なんだか今日は富士急バスを良く見る日です。


西へ向かって走ること約15分、バスは終点の竜王へ到着となりました。


竜王駅前のショッピングセンターに併設されている立体駐車場の前へぐるりと回り込み、降車用バス停にてドアオープンです。



ガーラの走りをもっと楽しんでいたかったですが、名残を惜しみながら降車します。実際に乗車してみると、順調に来られれば4時間〜4時間半くらいの行路でした。ちょうど新宿-飯田線に乗ったくらいの距離感でしょうか。そう考えると、名古屋と山梨県は意外と近いんだなという印象です。鉄道だと、名古屋から新幹線や特急を利用しても3時間半くらいかかるので、山梨県西部までのバス利用者がかなりいたことも納得できます。

そんな行路をガーラ2000、しかもスーパーハイデッカーの車両で乗り通すことができたのは本当に良い経験になりました。ここまで安全・快適に送り届けてくださった運転手さん、ありがとうございました!

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上述の通り、名古屋ライナー甲府号は長野県内でも乗降扱いが行われます。南信地方限定ではありますが、南信から山梨県へ直行する数少ない交通手段ということで、以前の乗車旅でも高森BSから利用させて頂いたことがあります。

・【乗車記】名古屋ライナー甲府2号(ジェイアール東海バス747-09951号車)
 https://msmrbus2.naganoblog.jp/e2503732.html

聞くところによると、私が乗車した日に限らず、長野県内での乗降も割とあるそうです。南信から山梨県内へと向かうお客さんにすっかり定着している様子が伺えます。東京、名古屋、大阪、長野市、そして山梨と、多様な目的地にバス一本で行けてしまう南信の高速バスネットワークの凄さを改めて感じます。

現在でこそC778号車が姿を表すことがなくなった名古屋線ですが、まだ数台のガーラ(ハイデッカーですが)は名古屋向けに存続しているようです。割と乗りごたえのある路線なので、V8エンジン搭載のガーラでの旅を楽しんでみるのも面白いかもしれません!  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(0)山梨交通乗車記名古屋ライナー甲府号

大阪へと向かう信南交通1307号車(伊賀良バス停にて)
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久々のブログ更新ですが、今回は寂しい話題をお送りします。

2022年8月29日、信南交通のHP上でアルペン伊那号(大阪-伊那箕輪線)の運行会社変更に関する発表が行われました。これによると、アルペン伊那号の信南交通担当便は9月1日をもって終了し、9月2日以降は阪急観光バスと伊那バスの2社で運行が継続される模様です。私が伊那谷で幾度となく見送った信南交通の大阪線は、ひとまずの節目を迎えます。

・信南交通のプレスリリース(→こちら
 
これは個人的に重大なニュースでした。コロナ禍にあって期間限定運行となっていた伊那バス/信南交通の担当便ではありますが、まさかそこから信南交通の名前が消えることになろうとは。様々な理由はあるでしょうが、信南交通が掲げる「特急 大阪」幕はもう見られないと思うと寂しい気持ちになります。


当初は伊那バスと阪急バスとで運行が始まったアルペン伊那号。考えようによっては運行開始当時の形に戻るともいえます。しかし、信南交通が参入してから30年以上が経過した今となっては、この3社で運行される大阪線がもはや当たり前の姿でした。とはいえ、現実にそうなってしまったものは仕方ありません。叶うならば、いつか再び大阪へと向かう信南交通の高速バスが見られることを願っています。

信南交通さん、30年以上の長きに渡る大阪線の運行、本当にお疲れ様でした。今までありがとうございました。  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(1)信南交通アルペン伊那号