2021年06月01日

信州上田レイライン線

2021年5月1日、上田市の下之郷~塩田~別所温泉を巡る観光路線『信州上田レイライン線』が誕生しました!

当路線は2019年の台風災害を受けて休止となっていた「信州の鎌倉シャトルバス」を代替する形で運行されているようで、歴史的な建造物や文化財などが多く残る「信州の鎌倉」を巡るルートが設定されています。路線の新規開設に伴い、始発バス停が従前の塩田平駅から下之郷駅へと変更されるなど、利便性が向上しています。

路線の概要や時刻表などは、下記の上田バスHPをご確認ください。

上田バスHP
http://www.uedabus.co.jp/teiki_kankou/shuttle_bus.html

また、以下の上田市HPには信州の鎌倉に関する詳しい案内が掲載されています。

上田市HP
https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/shogaku/30087.html

上田の貴重な文化財や塩田平の自然を楽しめる新規路線ということで、何だかとても楽しめそうです。というわけで、私も早速乗りに行ってきました!!

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旅の始まりは上田駅から。
せっかくなので、今年(2021年)3月末に全線復旧を遂げた上田電鉄別所線を利用して下之郷駅へと向かうことにしました。

お目当てのレイライン線は別所線と完璧に接続したダイヤになっているので、とても利用しやすいです。

電車は12:10に上田駅を発車。あの台風災害で崩落した赤い鉄橋を超えて城下駅へ。

その災害の模様を間近に見ていた私としては、ここが復旧して本当に良かったと感じるのです。

乗車時間にして15分、列車は下之郷駅に到着です。

ホームの端っこで列車をお見送りして、私は駅前のバス発着場へ。

駐車場には上田バスのローザ・F-023号車が待機していました。

上田バス F-023号車(KK-BE64EG?)長野200あ122

運行初日は京阪バスから移籍したレインボー・H-092号車が入っていたみたいですが、最近だとローザが頻繁に運用入りしているようです。本当はH-092号車に乗れることをちょっぴり期待していたんですが、その楽しみは次回以降に取っておきましょう♪

補助ステップがせり出した乗車口から車内へと入ります。

路線型ローザに乗るのも久々なので、これはこれで楽しい旅です!

定刻となり、バスが発車。
バスはまず生島足島神社の方へと向かって走ります。


田園風景を眺めながら、県道・上田丸子線を松本方面に向かって南下。


しばらく走って西へと右折。県道・別所丸子線へと入っていきます。

農村地帯とあって、大小の溜め池がたくさん見られます。ちなみに、この堤の向こう側にあるのは「来光寺池」という池らしいです。

バスはしばらく西へと走り、押出バス停付近を左折。無言館や山王山公園などを通過していきます。


塩田城の麓を通過。いよいよ信州の鎌倉らしい風景になってきました。


右手を見ると、少し小高い丘から上田の町並みが見渡せます。


前山寺や龍光院といった由緒ある寺院を眺めつつ、バスは山際を進んでいきます。こちらは、中禅寺の手前にある「信州の鎌倉あじさい小道」の入り口です。

その名が示す通り、道沿いに3万株もの紫陽花が植えられているそうです。

塩野川沿いに丘をいったん下ります。


大きな溜め池が見えてきました。これは舌喰池(したくいけ)というそうです。

なんだか怖い名前だな...と思って調べてみたんですが、予想通り悲しい歴史があるそうです。この池のほか、塩田地区の溜め池にまつわる様々なお話を紹介しているサイトがあったので、ご参考までにどうぞ。

ため池の昔話HP
http://www.shiodanosato.jp/tameike/mukashi.php

前山寺の末寺・満願寺の前を通過すると、山田バス停が見えてきます。趣のあるバス停ですね。


山田バス停を過ぎてしばらく走ると、景色が一変。


比欄樹バス停を過ぎ、別所温泉の温泉街に入っていきます。


そのすぐ先に、別所温泉駅があります。私はここで降車することにしました。

運賃は全区間均一運賃で、大人200円です。そのため、整理券は取らなくても大丈夫です。

バスはその先にある終着バス停・将軍塚まで行きます。

最後までしっかりお見送りです(^^)

ここで事件発生。

帰りの電車の時間を調べようとスマホを探したら...

ない...

スマホがない...


どうやらバスにスマホを落としてきてしまったようです。スマホをポケットに突っ込んで下車したつもりが、どうやらちゃんと入れられてなかったみたいで。

私は慌てて将軍塚駐車場へと走ります。将軍塚まではだいたい徒歩3分ほどで到着できますが、電車の時間までは10分くらいしかないので、ちょいと急ぎ足。

結局、終点の将軍塚まで歩く羽目になってしまいました。お陰でスマホも無事に回収。運転手さんにひたすらペコペコと頭を下げ、とりあえず一安心です。こんなことなら終点まで乗っときゃよかった・・・

転んでもただでは起きぬとばかりに、将軍塚駐車場で待機するF-023号車を写真に納めます。

しかしまぁ、これが高速バスとか路線バスの途中下車じゃなくて本当に良かったです。不幸中の幸いとはこのことですが、我ながらなんと情けないと反省しきり(^^;

再び足早に別所温泉駅へと戻ります。

時計(これもスマホで代替してた)を見たら、発車3分前です。

帰りの電車も、行きで利用したのと同じ上田電鉄別所線1003編成です。

帰りの電車旅も約30分ほど。のどかな初夏の田園風景をゆったりと走り、上田駅へと戻ってきました。

トラブルなどもありつつでしたが、信州上田レイライン線の旅を無事に楽しむことができました。沿線風景も美しいですし、文化財などの見どころもたくさんありました。終起点の別所温泉で温泉やグルメを楽しんだり、北向観音に詣でて...というのもまた楽しからずや、といったところです。

運行期間は毎年4月1日~11月30日までと設定されており、長いこと楽しめる観光路線となっています。今年も緑滴る季節を迎え、特にこれからの時期は「あじさい小道」に植えられた紫陽花が目を楽しませてくれることでしょう。また、夏の暑さを涼しげな雑木林でしばし忘れ、秋の紅葉を眺めながら寺院巡りというのもなかなか面白そう。信州上田レイライン線は、そんな四季折々の楽しみが詰まった路線でした。一度乗っただけではもったいないので、私も折を見て再訪してみたいと思います。  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(0)上田バス
せっかく草津温泉までやってきたというのに、温泉を楽しむこともせず再び次の高速バスに乗って出かけようというのですから、我ながら呆れたもんです(^^;

★草津温泉までの旅の模様はこちらからどうぞ↓↓

・上田-草津線『特急 湯畑号』運行開始!
 http://msmrbus2.naganoblog.jp/e2545899.html


ひとしきり温泉街をぶらぶらした後は、同じく上田バスが運行する高速路線バス『渋谷-軽井沢・草津線』にて渋谷へと向かいます。

・路線の情報↓↓
 http://www.uedabus.co.jp/event/highway-bus.html


この路線は草津温泉バスターミナルを発し、北軽井沢~軽井沢を経て、渋谷までを結んでいます。便により二子玉川ライズやたまプラーザなどにも行くことができます。長大な路線の割には比較的リーズナブルに利用できますし、住宅が多くある東京の南側から草津温泉に直行する高速路線ということで、隠れた人気路線となっています。最近の情勢下にあっても、週末などは満席になる便があるほどです。

私はというと、渋谷-軽井沢・草津線を利用するのは実に2年半ぶりです。その時は渋谷→軽井沢というコースだったので、草津温泉から利用するのは初めてのことです。

そして、今回利用するのは2020年12月1日~2021年3月31日までの季節運行便であるUB3072便。始発の草津温泉バスターミナルから、渋谷マークシティまでの旅を楽しむことにしました(^^)

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渋谷-軽井沢・草津線UB3072便
13:15 草津温泉バスターミナル発→渋谷マークシティ・二子玉川ライズ行き

上田バスF-051号車(※上里SAで撮影)

車種:三菱ふそう エアロバス
型式:KL-MS86MP
年式:2005年式
ナンバー:長野200か1577
所属営業所:上田バス 本社営業所

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予想通り、上田から草津温泉までの道中を共にした上田バスF-051号車がやってきました。上田→草津温泉→渋谷というコースで運行ダイヤが組まれているようです。上田バスの渋谷線が開業した時から、回送は軽井沢経由でなく鳥居峠経由だったらしいです。その送り込みルートがそのまま路線化したという話はどうやら本当のようですね(※あくまで噂話を基にした管理人の勝手な推測です)

さてさて、バスターミナルの5番乗り場に入線したバスは、早速乗車扱いを始めます。

この日は平日だったのですが、前評判どおり利用は盛況でした。ご家族連れやお友達連れの方も多く、この路線のポテンシャルを感じさせます。

内装などは上田-草津線の乗車記でご紹介したばかりなので割愛しますが、今度は最前席に着座してみました。上田→草津までは峠道とエンジン音を楽しみ、さらに草津→渋谷までの区間は、同じ車で前面展望を楽しもうという作戦です!

発車時刻となりました。
誘導員さんの案内でバスがバックし、そのまま左へ出てバスターミナルを後にします。

渋谷までは約4時間半の道のりです。

バスターミナルの坂を下りると、すぐに草津温泉ホテル櫻井へと向かいます。


ホテル櫻井はバスターミナルからほど近いところにあります。

ホテルのフロントを出た所にバス停があるので、宿泊されたお客さんは長い距離を歩いたり雨に濡れたりすることなく、バスを利用できるようになっています。

続いて北軽井沢へと向かっていきます。


浅間・白根・志賀さわやか街道こと国道292号線を長野原町方面へ。


長野原まではほぼ一本道ですが、長野原町の大津信号で国道406号線と合流し、406号線から再び国道146号線を南下して軽井沢方面へと向かっていきます。

草津へ来るときにも何度か渡った吾妻川を再び渡ります。


少し走るとすぐに山道の様相となります。


草津への道中で見た畑地とはまた違った風景が広がります。




バスはV8エンジンの頼もしい唸りと共に山道をずんずん登ります。登り切ったあたりで急に視界が開けてきたら、北軽井沢はもうすぐです。

かつて走っていた草軽電気鉄道の駅舎のほど近く、北軽井沢観光協会前の駐車場に北軽井沢バス停があります。

肝心の駅舎の写真は撮り損ねました(^^;

高原らしい林の中を進み、今度は坂道を下っていきます。坂道を下りきったら、しなの鉄道の中軽井沢駅付近より国道18号線へと入ります。


途中、東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢に立ち寄ります。ハーヴェストクラブのロータリー内にバス停がありました。


バスは再び国道18号線を走り、軽井沢駅へと向かいます。

軽井沢駅のロータリーには、草軽交通の草津温泉ラッピング車が停車していました。私の乗るF-051号車とは異なる草津温泉ラッピングを纏っています。

車番はよく見えませんでしたが、仕様を見ると一目で元・東急リムジンのエアロバスだなと分かりますね。

軽井沢駅前で10分ほど停車します。

ここまでで既に1時間半ほどかかっていますから、時間調整と小休止を兼ねているようです。

定刻通り、14:50に軽井沢駅を発車します。次のバス停は軽井沢72ゴルフとなります。

ゴルフ場の目の前にバス停がありますが、車は殆ど停まっていませんでした。したがって、ここで乗車してくるお客さんもなく、乗車扱いはここで終了です。

バスはそのまま松井田軽井沢線を群馬県方面に向かって走ります。

群馬県側は眺めがいいですね(^^)

坂道を降り切ったところで高速道路へ入ります。

F-051号車自慢?のV8エンジンが唸りを上げ、上信越道へと合流します。

バスは陽が傾き始めた上信越道をゆったりと進みます。やはりエアロバスは高速走行が快適ですね。一般道を走っていても快適な車だなと改めて思っていましたが、その真価はやはり高速道路にあるように感じられます。

高速道路を更に1時間ほど走っていくと上里SAへの到着アナウンスが入ります。上里SAでは20分弱の休憩とのこと。

休憩中、ようやくこのラッピングの全面を撮影することができました。







どこから見ても良く目立つ、本当に美しいラッピングですね。天井直結エアコンのエアロバスというクセの強い車体にこのラッピングというのも、様々な意味で特徴が際立っています。

16時ちょうど、バスは上里SAを発車し、再び高速道路を走っていきます。

関越道の終端にほど近い大泉JCTからは外環道を走ります。


荒川を渡った先の美女木JCTより5号池袋線へ入り、そのまま板橋JCTを経て長大な山手トンネルを抜けていきます。山手トンネルでは帰宅ラッシュと事故による渋滞が発生していましたが、少し巻き気味に運行されていたので、あまり影響はありませんでした。

そして、山手トンネルの先にある富ヶ谷ICでようやく地上へ。ここまで来ると渋谷は目の前です。撮影もそこそこに、私もいそいそと降車準備を始めます。

ほどなく、渋谷マークシティに到着です。

スロープを登り、ビルの5階にある乗降場へと進みます。

ロータリーへと入り、乗り場に着けたところでドアオープン。渋滞などもありつつでしたが、定刻通りの到着でした!

運転手さん、朝から晩までの長大なルートの運転、本当にお疲れ様でした!!大変お世話になりましたm(__)m

上田バスF-051号車と共にした上田~草津温泉~渋谷への旅もようやく終焉です。高速バスで普通に来れば4時間あれば着くところ、草津を経由したために8時間近い旅となってしまいました。

おまけに私は、この後に上田へと戻ることとなります。同じルートを今度は千曲バスの上田行きで折り返そうという企みです。こんな周回ルートが組めるのも、新規路線・上田-草津線が開設されたお陰ですね(^^)

そんなわけで、今回の旅はまだ続きます。次回の千曲バスの旅も是非お楽しみに。  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(2)上田バス
2020年12月1日、上田市と草津温泉を結ぶ新たな路線が開設されました。



その名の通り、上田市と草津温泉とを結ぶ 上田-草津線『特急 湯畑号』 です!

・上田市の詳細ページ
 https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/kotu/37216.html

上述のHPに掲載の通り、通年運行便と季節運行便の往復2便が運行され、季節運行便は12/1~3/31までの約4ヶ月間に渡って運行されるとのことです。運行経路は、上田駅を出て上田インターを真田方面に登り、鳥居峠を草津方面に抜けるルート。途中、新鹿沢温泉と、吾妻線の万座・鹿沢口駅を経由し、草津温泉バスターミナルを経て、終点の草津温泉ホテル櫻井へと至ります。上田~ゆきむらの郷夢工房までのバス停は乗車専用、新鹿沢温泉は乗降車バス停、万座・鹿沢口駅~終点までは降車専用バス停となっています。時刻表上の運行経路は2時間です。

さらに、この路線は高速バス 渋谷-軽井沢・草津高速線の送り込みを兼ねているようです。上田から草津温泉まで向かったバスが、今度は草津温泉から軽井沢を経由して渋谷へと向かうといった具合。山道が続く、なかなかハードなルートですね...

今までありそうでなかった上田から草津温泉へ直行する新規路線ということで、期待が高まります。さっそく乗車レポをお届けしていこうと思います!

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乗車当日は10:25に上田駅前を出る季節運行便をセレクト。乗り場は上田駅お城口の3番のりばです。少し早めに上田駅前に着きましたが、行き交う他のバスたちを眺めて過ごします。

そして発車の約5分前、ついに湯畑号を担当する高速車両が入線してきました!

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上田-草津線『特急 湯畑号』
10:25 上田駅前発→新鹿沢・万座鹿沢口駅・草津温泉行き

上田バスF-051号車



車種:三菱ふそう エアロバス
型式:KL-MS86MP
年式:2005年式
ナンバー:長野200か1577
所属営業所:上田バス 本社営業所

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おお、なんという凝った仕様の車両でしょうか!!
草津温泉の全面ラッピングを纏ったエアロバスの登場です!!

この車は元・東急リムジンの車両であり、エンジン直結式空調が屋根上に乗っているのが大きな特徴。これによってトランクのスペースを増設した仕様となっています。マニア的には、V8エンジンを搭載した天井直結空調エアロバスで山道を走れるというのが何よりも楽しみだったりします(←

それにしても美しいラッピングです。

草津温泉の湯畑が、見事な色彩で表現されています。どこからどう見ても草津温泉に行く車両だと分かるので、言わずと知れた有名観光地・草津温泉の揺るがぬ存在感を存分にアピールしてくれています。特に、寒さの増してくるこれからの時期は、いい感じに旅情を誘いますね。

ちなみに、このラッピングは上田-草津線を担当する全ての車両に施工されています。また、新宿と草津温泉を結ぶジェイアールバス関東の高速バス路線・上州ゆめぐり号にも、同様のラッピングが大増殖しています(※2020年12月現在)。

参考:ジェイアールバス関東H657-16412号車(長野原支店所属)

入線から発車までそんなに時間が無かったので、そそくさと乗り込みます。運賃は現金前払いで、上田駅から草津温泉バスターミナルまでは2,000円です。

車内は、正座席である4列ハイスタンダードシート42席と+補助席9席の51人乗り。

窓は、今となってはすっかり珍しい青色ガラスです。そのため、車内の光景や車窓は青色がかって見えます。

「自由席なので、好きなところに座って頂いて大丈夫ですよ」と運転手さん。

それならば、と私は車内をずんずん奥へと進み、最後部に着座します。

目的はもちろん、三菱ふそう製V8エンジン・8M21エンジンの轟音を楽しむためです!

座席前方には、飛沫防止用のプラスチック板が取り付けられていました。

感染防止のための注意喚起もなされており、なかなか凝った作りです。

最後部にはトイレもついています。

草津温泉到着後に高速路線を兼用する車ということで、トイレ付の車両が充当されている模様です。

フロアはグレー調です。


意外にも、車内には降車ボタンなどは付いていません。

料金を支払う際、運転手さんに行先を告げてから乗車するスタイルなので、そこで申告のあったバス停に停車するようになっているようです。

また、この車に関しては、フリーWi-Fiやコンセントは付いていません。

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定刻となりました。
スイングドアがゆっくりと閉まり、ギアが入ります。いよいよ出発です!!

上田駅を出るとすぐに坂道となるので、いきなりV8エンジンの湧きあがるような重低音を楽しむことができます。

上田菅平インター近くにある住吉BSを過ぎ、バスは真田方面へとバイパスを登ります。そして、ゆきむらの郷夢工房前バス停を通過したら、一気に新鹿沢温泉へと向かっていきます。

この路線の本領発揮はここからです!

真田の丘陵を菅平方面へとひたすら登っていきます。


住宅街を抜けると、途端に山道の様相を呈し始めます。


菅平~地蔵峠方面へと向かう道と分かれ、バスは分岐を右折して鳥居峠へと向かっていきます。


早速、峠道あるあるな急カーブに差し掛かります。


更に峠を登っていくと、路肩や日影に雪が残っていました。

思えば季節は12月。私が乗車する前々日にも、高地では雪が降ったとの情報でした。幸いにして道路に雪は残っていませんでしたが、私は雪を見ると風情を感じるより先に雪かきや道路状況の心配を始めてしまいます(^^;

そんな道を、バスはゆったりと進んでいきます。頼もしい重低音を奏でるエンジンと、時折変わるシフトの音が、私にとっては何よりの楽しみです(運転手さんは大変ですけど...)。

峠の頂上にほど近いところで、道路工事が行われていました。どうも片側車線規制となっているようです。

折しもここは道幅が非常に狭い区間です。運転手さんはガードレールギリギリまで車体を寄せ、12mもの車体を見事に操って切り抜けていきます。

工事区間を抜けると、ほどなくして鳥居峠の頂上へと到達。そこから群馬県嬬恋村に入ります。

頂上から少し下ったところで、浅間山がチラリと見えてきました。


国道144号線の終端部から、つまごいパノラマライン南ルートへと入り、新鹿沢温泉へ。

新鹿沢温泉に向かう途中、今度は四阿山が見えてきました。

右手には四阿山、左手後方には浅間山という、なんとも贅沢な景色を楽しむことができます。

新鹿沢温泉に到着です。乗車バス停はここで最後となります。

結局、ここでも乗客はなかったため、車内は私一人であることが確定しました(^^;

冒頭で述べたように、新鹿沢温泉BSは乗降車が可能なバス停です。この路線を使えば、新鹿沢温泉を楽しんだ後に草津温泉へ...というルート(もちろん逆も)を辿ることができ、2つの温泉地を一挙に楽しむことができるというわけです。旅の幅が広がりますね。

新鹿沢温泉を出ると、今度はJR吾妻線の万座・鹿沢口駅へ。

ここからは再びつまごいパノラマラインを通り、次のバス停へと向かっていきます。あれ?国道に戻らないのかな??と思ったら、なんと国道は通行止め。ここが迂回ルートとなっていたのですね。

つまごいパノラマラインは広域農道です。火山麓扇状地を横切るように農道が走っており、嬬恋村の名産であるキャベツ畑の中を突っ切っていきます。



広大な畑地が広がる今の季節も爽快ですが、キャベツが青々とした季節にも来たくなりますね!

気づけば、浅間山がさらに近づいています。


まっさらな畑と浅間山。この路線は、目まぐるしく変わる車窓が本当に楽しいですね!


農道から国道406号線へと戻り、迂回ルートは終了。吾妻川を渡り、JR吾妻線と並走します。



ほどなくして、万座・鹿沢口駅に到着。といっても、乗客は私しかいないので、ここは通過しました。写真も撮り損ねてしまったのですが、どうも駅前の交差点付近にバス停があったようですね。

駅前を過ぎた先にある三原大橋信号を左折して再び吾妻川を渡ります。

そこから先は、県道59号線を草津方面へ。

山道を下ると景色が一変。急激に温泉地の様相を呈し始めます。

※バス降車後に撮影

♪草津よいと~こ~ いちど~は~おいで~♪

案内放送から草津節が聞こえてきます。続いて、草津温泉バスターミナルへの到着を告げるアナウンスが入ります。なんとも風情を感じる放送ですね。

温泉地を進むにつれ、車内にふわりと温泉の香りが漂ってきます。感染症対策のため、エアコンが外気導入されているせいでしょうか(あの鼻をつく独特な香りは大部分が硫化水素です)

スロープをグイっと登り、バスは草津温泉バスターミナルに入りました。

私はここで降車します。草津温泉BTに来るのは初めてです(^^)

バスはヘリンボーン型の乗降バースからバックで抜け、BTを後にします。


最後までバッチリお見送りしつつ、V8エンジンの轟音を車外から楽しみます。

工事区間あり、狭隘区間ありの大変な経路でしたが、安全・快適に送り届けてくださった運転手さん、どうもありがとうございました!!

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時計を見ると、定刻より少し早めに到着していたようです。実は私、ここへ来たのは草津温泉を楽しむためではなく、今度は上田バスの高速路線「渋谷-軽井沢・草津温泉線」へと乗り継ぐことが目的だったのです(^^;

とはいえ、せっかく草津温泉に来たので、何もしないのももったいないでしょう。慌てて温泉に浸かるのは好きじゃないので(←ワガママ)、観光名所の湯畑や温泉街のあたりをブラブラしてみることにしました。









滾々と湧き出る温泉、風情を感じる温泉街...歩いているだけでも楽しいところです。それこそ、次に来る時はバスの旅を楽しむとともに、ゆっくりと温泉にでも浸かりながら、日頃の疲れを癒したいものですね。

運転の疲れを気にせず、バスを利用して長野と群馬の温泉地をゆったりと巡る。そんな旅も、たまには良いのではないでしょうか(^^)  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(2)上田バス
上田バスの路線型ローザにチョイ乗りして、上田駅までちょこっと出てみましたw

やって来たのはF-172号車です!

上田バス F-172号車

車種:三菱ふそう ローザ
型式:TPG-BE640G(?)
年式:2017年式
ナンバー:長野200あ386
所属営業所:上田バス 本社営業所


2017年に導入されたマイクロバスで、モノはローザ(ロングボディ)となります。2WDか4WDかは不明ですが、一応2WDの仕様と思われますので、型式はそちらでの記載としました(間違ってたら教えてください)。

乗車時間にして15分弱だったのですが、乗り心地や通常の路線車との内装の違い等、色々勉強になりました。特に、ローザに搭載されたトランスミッションは三菱ふそうが世界で初めて開発した6速デュアルクラッチ式AT「DUONIC」と呼称され、スムーズなシフトアップが印象的でした。

路線型ということで、車両前方に運賃箱・整理券発行機も付いてます。

運賃箱は小田原機器製です。

内装は青色のチェック柄のシートモケット。

シートグレードが高く、ビックリです!

・・・余談ですが、このシート柄は信南交通のエアロクイーン・871号車と同じシート柄でした。



こんな共通点を見つけることができ、ちょっぴり嬉しかったです(^^)

上田駅までの短い乗車ですが、とても楽しめました。私がいつも利用する時間帯の関係で、上田バスの車両を利用する機会があまり無かったため、貴重な時間でした!  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(0)上田バス