大阪へと向かう信南交通1307号車(伊賀良バス停にて)
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久々のブログ更新ですが、今回は寂しい話題をお送りします。

2022年8月29日、信南交通のHP上でアルペン伊那号(大阪-伊那箕輪線)の運行会社変更に関する発表が行われました。これによると、アルペン伊那号の信南交通担当便は9月1日をもって終了し、9月2日以降は阪急観光バスと伊那バスの2社で運行が継続される模様です。私が伊那谷で幾度となく見送った信南交通の大阪線は、ひとまずの節目を迎えます。

・信南交通のプレスリリース(→こちら
 
これは個人的に重大なニュースでした。コロナ禍にあって期間限定運行となっていた伊那バス/信南交通の担当便ではありますが、まさかそこから信南交通の名前が消えることになろうとは。様々な理由はあるでしょうが、信南交通が掲げる「特急 大阪」幕はもう見られないと思うと寂しい気持ちになります。


当初は伊那バスと阪急バスとで運行が始まったアルペン伊那号。考えようによっては運行開始当時の形に戻るともいえます。しかし、信南交通が参入してから30年以上が経過した今となっては、この3社で運行される大阪線がもはや当たり前の姿でした。とはいえ、現実にそうなってしまったものは仕方ありません。叶うならば、いつか再び大阪へと向かう信南交通の高速バスが見られることを願っています。

信南交通さん、30年以上の長きに渡る大阪線の運行、本当にお疲れ様でした。今までありがとうございました。  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(1)信南交通アルペン伊那号
茅野駅から高遠駅を経て、南アルプスの玄関口である仙流荘までを結ぶ登山バス「南アルプスジオライナー号」の運行が始まっています。

その経路に、8月4日より高遠駅⇔仙流荘までの回送ルートを路線化した区間便が設定され、利便性が更に高まりました!

今春より長谷循環バスが減便されたこともあって、茅野駅→高遠駅→仙流荘へと移動した後は、ジオライナーの折り返し便を夕方まで待つ以外に高遠駅へと戻る手段はありませんでした。その救済もあってか、ジオライナーが高遠駅へと戻る回送ルートを区間便として追加運行されることになりました。これにより、午前中に下山したお客さんが高遠駅まで戻れるようになったというわけです。そして、高遠駅からは高遠線で伊那バスターミナルや伊那市駅・伊那北駅まで行けるので、高速バスや鉄道でのアクセスも改善された模様です。


・・・あぁ、また良からぬことを閃いてしまった。


今年は木曽福島駅と高遠駅・仙流荘を結ぶ「パノラマライナー号」が運行されていません。このため、名古屋から公共交通を使って南アルプスにアクセスするには少しハードルが高くなります。

では、高速バスならどうか?

ちょいと時刻表を調べてみると、名古屋からの高速バスに乗って伊那に入り、そこから高遠線→ジオライナーと乗り継いだら、南アルプスにアクセスできるではありませんか!

そんなわけで、私は愚かにも、高速バスを使ったジオライナー乗り継ぎルート『高速バス名古屋線-南アルプスジオライナー号乗り継ぎチャレンジ』を実行してみようと思い立ったのでした。

旅程の概要は下記の通り。

①信南交通の名古屋行きで伊那BT→瑞浪天徳BSへ移動
②名鉄バスの箕輪行きで瑞浪天徳BS→伊那BTへ折り返し
③ジェイアールバス関東の高遠線で伊那BT→高遠駅へ移動
④南アルプスジオライナー号に乗り継いで高遠駅→仙流荘へ移動
⑤ジオライナーの区間便(新規設定)で仙流荘→高遠駅へ折り返し


さすがに名古屋からの乗車を楽しむことはできませんが、瑞浪天徳で名鉄便に乗り換えることによって、朝に名古屋を出発する旅が疑似体験できるというわけです。時刻表的には非常にタイトですが、なんとかなるでしょう。そんな楽観論を掲げ、私は早朝の伊那バスターミナルよりこの日のチャレンジを開始したのでした!

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チャレンジ①
6:00 伊那BT→8:07 瑞浪天徳


名古屋-伊那箕輪線SN14406便
信南交通1387号車(2TG-MS06GP)


旅の始まりは信南交通の名古屋行きです。まずは伊那バスターミナルから乗り換えバス停の瑞浪天徳を目指します。折しも、同社では最新型となる令和顔エアロエースが来てくれました!

LCDディスプレイに表示される「名鉄バスセンター行きです」の文字が新鮮味を感じます。


バスは順調に中央道を南下し、恵那峡SAで8:00まで休憩となりました。







単に名古屋線に乗り継ぐことが目的なら瑞浪天徳まで行かず、その手前の中津川や、なんなら長野県内で降りても良かったんですが、恵那峡でじっくり撮影したかったのでこのルートにしてみたのです♪

乗務員さんが少し長めに休憩を取ってくださったので、10分差で箕輪を出てきた阪急観光バスのアルペン伊那号が追いつきました。

お陰で、こんなコラボショットを頂くことができました。

恵那峡SAを出てしばらく走ると、瑞浪天徳バス停に到着。信南交通1387号車とはここでお別れです。

到着時刻は8:16(定刻+9分)だったのですが、乗り換えには十分間に合います。

そそくさと下り線のバス停から上り線のバス停へと移動し、バスを待ちます。

考えてみたら、瑞浪天徳BSを利用するのは初めてです。こんな感じなんだなぁと周りの景色を眺めていたら、次に乗り継ぐ名鉄バスがやってきました。


チャレンジ②
8:23 瑞浪天徳→10:38 伊那BT(※菅の台経由)


名古屋-伊那箕輪線MB14507便
名鉄バス2013号車(BKG-MS96JP)


ここから本日の乗り継ぎチャレンジが本格的にスタートします。といっても、さっき来たルートをそのまま折り返すだけなんですが(^^;

車両は名鉄バスの中では古参クラスとなる2010年式エアロエース。同社からも徐々に数を減らすBKG-エアロエースに乗車できた幸運もさることながら、図らずも最新型の令和顔エアロエースと初期型のエアロエースを乗り比べる旅となりました。

瑞浪天徳を定刻通り発車したバスは、しばらくして恵那峡SAへと入っていきます。



私はほんの40分前に反対側(下り)に滞在していたのですが、細かいことを気にしてはいけません。

休憩中のSAではこんな並びが。

右手前から、新宿-名古屋線を担当する名鉄バス2352号車、私の乗る名鉄バス2013号車、名鉄観光バス、更には最奥部に名鉄運輸が並ぶ光景となりました。まさに名鉄4並び。いいものを見せて頂きました。

10分強の休憩の後、バスは再び中央道を走ります。

駒ヶ根ICで高速道路を降り、7月~10月だけの季節運行ルートである菅の台バスセンターへ。

やはりというべきか、登山に来られたお客さんが何人か降車されました。

その後もバスは順調に一般道を走り、定刻通り伊那バスターミナルに到着です。

ここの乗り継ぎが今チャレンジ最大の難所だったのですが、お陰様で無事クリアです!


チャレンジ③
10:45 伊那BT→11:07 高遠駅


高遠線(高遠さくらの湯行き)
ジェイアールバス関東L538-00509号車(KC-UA460HAN改)


高遠線にはだいぶ余裕を持って乗り継げました。車両は元・東急バスのUAノンステです。高遠線は今年4月より伊那バスターミナル発着となったことから、高速バスや他の路線バスとの接続が非常に良くなりました。

お馴染みの路線・見慣れた景色ではありますが、今回のようにトリッキーな旅で利用するとまた新鮮に見えてくるのが不思議です。

バスに揺られること20分強、定刻通り高遠駅に到着となりました。

目の前には既に、茅野駅からやってきた南アルプスジオライナー号が時間調整をしていました。高遠線との接続も兼ねた待機となっているようです。ここまで来たら勝ったも同然!私は嬉々として目の前に停車するジオライナーに乗り継ぎました。


チャレンジ④
11:10 高遠駅→11:30 仙流荘


南アルプスジオライナー号(仙流荘行き)
ジェイアールバス関東L538-05503号車(ADG-RA273MAN)


ジオライナー号にはジェイアールバス関東で唯一と思われるRAワンステが入っていました。ジオライナーは毎年この車が担当しているようです。

車体の側面には「南アルプスジオライナー 仙流荘行き」のステッカーが貼られていました。

7月に乗車した時にはなかったので、最近貼り付けられたものだと思います。

バスは定刻通り高遠駅を発車。
朝は雨が降っていましたが、天候が急速に回復し、すっかり真夏の風景となりました。


美和ダムの上流部までやってきました。普段はバスで通ることがないルートなので、車窓の景色が楽しいです。



ダムに土砂の堆積を防ぐためのバイパストンネルの取り入れ口となる分波堰や、三峰川支流の黒川沿いにある水力発電所を眺めつつ、バスは仙流荘へと向かっていきます。

終点の仙流荘には定刻通り到着です!
登山に見えたお客さんは、ここで北沢峠へと向かう南アルプス林道バスに乗り換えます。

これまでだったらバスはこのまま回送となるのですが、今年はここから更に高遠駅までのルートが路線化されたため、折り返しのためにしばし待機します。

折り返し待ちの間にちょいと撮影。

夏山の景色に佇む日デRAというのも、この時期だけ見られる特別な光景ですね。


チャレンジ⑤
11:35 仙流荘→11:55 高遠駅


南アルプスジオライナー号(高遠駅行き区間便)
ジェイアールバス関東L538-05503号車(ADG-RA273MAN)


さあさあ、ここへ来てようやく今回の旅のメインが登場でございますよ!この区間便に乗りたいばかりに今回の如き無茶苦茶なチャレンジが始まったわけですから、断固外すわけにはいきません!!

さっき乗ってきたばかりのバスに再び乗り込み、仙流荘を出発です。


バスはほどなく高遠大橋を経て、風情に満ちた高遠町の市街地へ。



当然ながら往復ともに同じルートを通るわけですが、行きと帰りで座席を変えたので、車窓の景色を満喫します。

終点の高遠駅には定刻通り到着です。

乗り継ぎ時間が非常にタイトな旅ではあったものの、『高速バス名古屋線-南アルプスジオライナー号乗り継ぎチャレンジ』を見事完遂することができました!

これにより、名古屋からの高速バスが大幅に遅れない限り、高速バスを利用した南アルプスへのアクセスが可能であることが確認できました。道中のハラハラも含めて、私としてはとても楽しい旅ができたなぁと思います。

また、仙流荘⇔高遠駅の区間便が設定されたことにより、ジオライナーの全区間完乗を果たすこともできました。仙流荘から高遠駅までの区間は実際に乗ってみるとあっさりしたルートですが、この区間を走る路線バスが大きく減便された今、仙流荘から高遠駅に直接アクセスできる手段としては非常に大きいと思います。今夏の登山バスは新型コロナウィルス感染症の拡大などで色々と制約を受けつつも、その分は様々な楽しみ方が生まれたなと思えた今回のチャレンジでした。

最後になりますが、今回の乗り継ぎ旅で安全・快適に送り届けてくださった各社の運転手さん、本当にありがとうございました!

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おまけ。
高遠駅では、ジオライナーと国鉄復刻カラーとのツーショットも実現しました。

どちらもジェイアールバス関東中央道支店の名物車両とあって、存在感がすごいですね!

こんなところも、この地域の路線バスならではの面白さかなぁと。  

伊那バスのPKG-セレガ・21180号車での旅(→こちら)を楽しんだ後は、信南交通の箕輪行きで長野へと戻っていきます。例によって始発から終点までの通し乗車です。

名鉄バスセンターで待つことしばし、帰り道でお世話になる車両が入線してきました。

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名古屋-伊那箕輪線SN14515便
15:30 名鉄バスセンター・栄経由→箕輪行き

信南交通1241号車

車種:三菱ふそう エアロエース
型式:2TG-MS06GP
年式:2017年式
ナンバー:松本200か1241
所属営業所:信南交通 飯田本社営業所

※恵那峡SAにて撮影

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この日は信南交通が最初に導入したMS06エアロエースが来てくれました。2017年の暮れに稼働を開始した車で、8速AMT・Shift Pilotと7.7Lの6S10エンジンを搭載したMC後エアロエースの初代導入車となります。

名鉄バスセンターに回送されてきた1241号は、西日本ジェイアールバスや名鉄バスと並び、乗車扱いを始めます。

私も早速のりばへ向かい、車内へと入ります。

内装は落ち着きのあるカラーで統一され、ヘッドサポーター付き4列ハイエンドワイドシートが並んでいます。

座席数は36席で、最後部にはパウダールーム付き大型トイレが備えてあります。

また、全席にAC100Vコンセントが配されています。

写真のコンセントは窓側ですが、通路側もシートの脇にコンセントがあります。

シート前方には大型のシートテーブル。


足元には靴を脱いで使用するタイプの大型フットレストがあります。


シート前方には飛沫防止用のアクリル板があります。



石畳調のフロアも良い感じです。

このように、もともと豪華であった信南交通の車内がMS06になってからグレードアップし、更に快適さを増した仕様になっています。お馴染みのフリーWi-Fiも飛んでいますし、長旅でもゆったり過ごせるようになっているのが更にありがたいですね。

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さて、バスはいよいよ名鉄バスセンターを出発。バスセンターの長いスロープを下り、次の乗車バス停である栄へと向かいます。

名鉄バス名古屋中央営業所の横を通り、名古屋高速の新洲崎JCTを眺めながら伏見通りを北へ。


栄バスターミナル(オアシス21)に入っていきます。


バスターミナルへ入ってすぐ、バスは少しバックして8番のりばへ到着。ここで乗車扱いを行います。


栄バスターミナルを発車後、バスは名古屋高速へ。


バスは小牧北JCTから東名高速に合流し、小牧JCTからは中央道へと入っていきます。

その後、桃花台バス停で乗車扱い。

ほんの4時間ほど前に名古屋行きで通りかかったバス停を、今度は反対車線から眺めてみました。

岐阜県へと近づくにつれ、付近に緑が目立ってきます。

こうした四季折々の車窓の変化をゆったり楽しめるのも高速バス旅の魅力ですね。

休憩場所の恵那峡SAが近づいてきました。


ここで15分弱の休憩となりました。発車時刻は17:05とのことです。







明るいところで見てみると信南交通さんの車体は本当に美しいですね。

鏡のようなボディのほか、ピカピカに磨かれたホイールも目を引きます。

この輝きはいつ見ても圧倒されます。担当乗務員さんの愛情を感じますね。

休憩後、バスは再び長野県に向けて走り出します。

恵那峡SAから少し走ったところで、中津川バス停にて乗降車扱いを行います。


続いて、神坂PA内にある馬籠バス停に停車。


恵那山トンネルを抜けて長野県へと入り、阿智PA内にある駒場バス停に到着。

昼間に通ったルートとはいえ、反対側から眺めてみると違った風情があります。

その後、上飯田→高森→松川→飯島と停車し、乗降車扱いはここで終了です。その先の駒ヶ根IC以降のバス停は降車専用となります。

駒ヶ根ICバス停通過後は一般道を走行しながら駒ヶ根BT→宮田→沢渡→伊那BTと通過していきます。





見慣れた景色をぼんやりと眺めながら過ごします。やっぱりバスに乗って眺める景色は、自分で車などを運転しながら眺める景色とは一味違います。私の場合は、見慣れた景色だからこそ余計にそう感じられるのかもしれません。

バスは伊那ICから再び高速道路へ。

私以外のお客さんは伊那IC前バス停で全員降車されました。終点の箕輪まで向かう乗客は私だけのようです。

中央道箕輪を通過し、バスは次の伊北ICから再び一般道へ。


伊北IC前→箕輪町役場入口と過ぎて行きます。




いよいよ終点の箕輪に到着です。


出発の時と同様、伊那バス箕輪営業所の敷地を建物に沿ってグルリと回り、バス停の横でドアオープンとなりました。

時計を見ると、ほぼ定刻での到着です。
信南交通らしい豪華で快適な車内はもとより、エアロエースの乗り心地や急坂でのパワフルな走りなど、最初から最後まで楽しみの尽きない旅となりました。

運転手さん、お疲れ様でした。ありがとうございました!

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前記事でも書かせて頂いたように、今回の旅は実に半年ぶりとなる高速バス乗車旅となりました。図らずも伊那バスの古参車と信南交通のShift Pilotとを乗り比べる旅となったわけですが、それぞれに良さや楽しさがあり、最初から最後まで様々な発見がありました。まさにバス旅の再開に相応しい素敵な思い出ができたと思います。

感染症対策も引き続き怠りなく、ここから徐々にバス旅を再開していく予定です。次の乗車計画もしっかり練っていますので、またどこかでご報告できればと思っています。お楽しみに!  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(0)信南交通乗車記中央道高速バス名古屋-伊那箕輪線
本年1月より、飯田市内において電気バス(EVバス)を使用した次世代モビリティの運行実証が開始されています!

これは、飯田市、信南交通株式会社、中部電力株式会社の三者間で締結された「地域循環共生圏構築による持続可能な地域づくりに向けた新たなモビリティの活用実証に係る基本協定」に基づくもので、再生可能エネルギーの普及拡大や地域マイクログリッド化を通じ、地域レベルでの持続可能性を高めるエネルギーマネジメントの実証を目指していくことなどが掲げられています。

中部電力プレスリリース
https://www.chuden.co.jp/publicity/press/1203791_3273.html


また、飯田市は今年3月に「2050年いいだゼロカーボンシティ宣言」を行っており、こうした取り組みとも密接に関係する事業となります。

飯田市プレスリリース
https://www.city.iida.lg.jp/site/ecomodel/2050iidazerocarbon.html


こちらがその運行を担うEVバス・信南交通1430号車です!

飯田市内を巡る市内循環線でほぼ毎日運行されています。車両としては、中国の電池・電気自動車メーカーであるBYD社が日本のコミュバス向けに販売する "J6" が採用となりました。

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信南交通1430号車

車種:BYD J6
型式:K6RA
年式:2020年式
ナンバー:松本200か1430
所属営業所:信南交通 飯田本社営業所
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縦目のLEDランプや日野ポンチョを思い起こさせるホイールベースの広い車体がなんともえいず特徴的。デザインもカラフルなので、どこを走っていても良く目立ちます。

そんな奇抜なデザインでありながら、飯田駅前や飯田の町並みに良く馴染むのが不思議です。





大板の緑ナンバーを装着したJ6というのも、全国的にはまだまだ珍しいのではないでしょうか。同じ長野県内での先行事例である東御市のRIDE’Nも白ナンバーでした。

また、信南交通では今回の運行実証に合わせて車庫の一角に充電スタンドを整備し、車庫での休憩時に充電しているようです。BYD社のホームページでは、満充電時におけるJ6の航続距離が200kmと公表されており、市街地での運行には十分なように思えます。

上述の実証実験計画では、実際の運行を通じて「環境負荷低減効果や経済性、快適性を検証するとともに、導入したEVバスの運行スケジュールに応じた最適な充電方法を検討することで、再生可能エネルギーの利用拡大(エネルギーの域産域消)などを目指す(上記プレスリリースより引用)」としており、EVバスの社会実装を最適な形で行えるように模索していくようです。

加えて、信南交通では既に「丘のまちプチバス『プッチー』」という小型電気バスの運行実績があります。つまり、1430号車は同社で2台目の電気バスということになりますかね。時代を先取りし、新しいタイプの車両を積極的に取り入れていく信南交通や飯田市の姿勢がよく表れているようです。

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せっかくなので1430号車に乗車してみました!

車内は広々とした天井の高い作りになっています。

運転席と運賃箱の位置がちょっと高いのが気になりますが、それ以外のレイアウトは標準的な小型ノンステップといった感じです。

シートは信南交通らしい?青色のモケットが貼ってあります。

シートが硬い座席には、同色のクッションまで置いてくれているという徹底ぶりに頭が下がります。

降車ボタンはオージ製で、車内各所の使いやすい所に配置されています。


行先案内表示はLCDディスプレイ。


大きな文字とバスが動くアニメーションで、分かりやすい表示になっています。


また、座席の一部にはUSBコンセントも配されています。

全ての座席にあるわけではないですが、必要に応じて携帯機器を充電できるようになっています。

最後部に妙に圧迫感があるな...と思ったら、電池が収められたボックスが天井近くまで達しています。

電池ボックス上部に添えられた注意書きには「物を置く禁止」と...(^^;

非常口はノンステエリアの後方にありました。

この辺のレイアウトはポンチョと同じような感じですね。

市内循環線は約1時間のコースですが、EVバスの独特な乗り心地や周りの景色を楽しんでいたら、本当にあっという間でした。走りはというと、ブレーキに少々クセがあるように見受けられたものの、加速も乗り心地も申し分なしといったところ。坂道や狭隘路の多い飯田市を軽快に走る姿は、さすがEVバスというべきでしょうか。改めてJ6の完成度の高さを感じました。

信南交通1430号車は今日も飯田の街を走っています。地域の足としての役割はもちろん、南信州での次世代モビリティ、地域エネルギーマネジメント実証の牽引役として、引き続き頑張ってほしいですね!

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カーボンニュートラルを前提とした成長戦略は、今やあらゆる分野で欠くことのできない基本方針となっています。環境保全と利便性・快適性・経済性を両立し、持続的かつレジリエントな発展を目指す...言うは易しですが、いくつもの障壁が存在することは想像に難くありません。要素技術や理念ばかりが先行しても、社会システムが付いてこないと片手落ちになります。「できるところから少しずつ」といった具合に、社会そのものが形を変えながら徐々に浸透していくことになるのでしょう。EVバスを活用した公共交通は、そんな社会システムを作り上げる上での重要な一歩となるのかも知れませんね。

実際、公共交通をモデルとした次世代モビリティ改革は、環境保全と地域の持続的発展を旗印として、全国に拡大しつつあります。EVバスの運行などを取り入れた次世代公共交通は、これからどんな姿を見せてくれるでしょうか。今後の活躍に期待です!


★余談
東御市での電気バス実証実験の模様も併せてご参考になれば。

①東御市で電気バスの実証実験が始まりました!
http://msmrbus2.naganoblog.jp/e2532421.html

②東御市でのEVバス実証実験第二期(BYD J6登場!)
http://msmrbus2.naganoblog.jp/e2555209.html
  

過去の乗車記録からお送りします。
今回は、お馴染みの新宿-伊那駒ヶ根線にて、信南交通担当の3608便を利用してみます(^^)

季節は冬真っ盛り。例によって伊那バス駒ヶ根車庫からの始発乗車ですが、早朝の駒ヶ根車庫は一段と肌寒いです。そんな中、信南交通のエアロエースがバス停へと入線してきました。

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新宿-伊那駒ヶ根線SN3608便
6:52 伊那バス駒ヶ根車庫発→バスタ新宿行き


信南交通1243号車

車種:三菱ふそう エアロエース
型式:2TG-MS06GP
年式:2017年式
ナンバー:松本200か1243
所属営業所:信南交通 飯田本社営業所

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この日の旅のお供は、信南交通が最初に導入したMS0系エアロエースです。記事執筆時点では、この車も導入から早3年が経ち、4年目を迎えたところ。今となってはすっかりポピュラーな存在となっているMS06ですが、デビュー当時は全車8速AMT/7.7Lエンジン採用という革新性に目を丸くしていたものです。

信南交通の初代MS06は、橙色LED式行先表示や不変のカラーリングといったこれまでの仕様を踏襲しつつ、MS06の特徴であるペットネームの付いた側面エンブレム、リアシグネチャーランプ、更には(恐らく信南オリジナルと思われる)SHIFTPILOTロゴが車体前後に付されるなど、何かとこだわりの強い仕様となっています。


信南交通のこだわりは、内装にも表れています。

まずはこの豪華な車内。
これまでのシートデザインから一新されたシートモケットに、石畳調の床材が目を引きます。そして最後部には、信南交通としては初採用となるパウダールーム付き大型トイレを備えています。シートはヘッドサポーター付き4列ハイグレードワイドシートです。もちろん、全席コンセント付きとなります。

更に、入口の階段部分にはイルミネーションランプも設えてあります。

ドア開放時に点灯するものですが、特に夜間などは非常によく目立ちます。

これらの装備の多くは、その後の新車全てにおいて採用されています。同社の新たなスタンダードともいうべき車内装備の端緒となった、ラグジュアリー感溢れる内装。私のようなバス好きならずとも、旅の楽しみを引き立ててくれるというものです♪

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定刻となりました。
バスはドアを閉め、動き出します。

最大で280kW/381馬力を発生する6S10エンジンの微かな唸りとともに、エアロエースの長躯がするするっと前進します。路上に出てからは、8速AMT・ShitPilotが軽快にシフトアップを行い、運転手さんの絶妙なアクセルコントロールとともにスムーズに加速。乗るたびに改めてMS0系の完成度の高さを感じます。

ふと窓の外に目をやれば、中央アルプスに陽が当たり始めていました。



モルゲンロート...とはちょっと違いますが、朝日を浴びたアルプスは美しいですね。

バスは駒ヶ根バスターミナルに到着。

ここで数名のお客さんが乗車されましたが、発車時刻まで少し余裕があったため、時間調整します。

7時ちょうどに駒ヶ根バスターミナルを出発し、バスは宮田バス停へ。宮田を過ぎたら、河岸段丘をいったん下って沢渡へと向かっていきます。

ここはまだ陽が当たっておらず、寒々とした風景。

沢渡バス停の少し手前で、箕輪から名古屋へと向かう信南交通990号車とすれ違います。

駒ヶ根線は一般道走行区間が長いので、こうした高速車との邂逅や季節の移ろいを感じることができます。

沢渡バス停を出たところで、ようやく平地にも陽が当たってきました。

道路は既に通勤ラッシュが始まっており、車窓の風景と相まって、伊那の街が徐々に動き出していくのを感じます。

伊那バスターミナルを通過。

この時点で定刻から約15分ほどの遅れが発生していました。通勤時の渋滞などもありますので、こればかりは致し方ありません。

バスはそのまま伊那インター前の急坂を難なく登り、伊那ICから高速道路へと入っていきます。高速道路上にある中央道箕輪、辰野PA内にある中央道辰野でそれぞれ停車したところで、乗車扱いは終了です。バスはこのまま一気に双葉へと走ります。

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辰野を出たところで、新宿への所要時間や車内装備等に関する案内放送が入ります。案内放送にゆったりと耳を傾けていたら、「お電話の際は後方の電話席をご利用ください」とのアナウンスが。上述のとおり、この車には電話席はなく、後方はパウダールーム付き大型トイレが占拠しています。直前に導入された1208号車までは電話席がついていたので、いまだ多数派を占める片側トイレ+電話席付き車に車内放送が合わせてあるのです。

信南交通の最も特徴的な部分ともいえる電話席。都内へと向かう多忙なビジネスマンや、お迎え待ちの電話をかけるお客さんなどへの配慮から生まれた特別な座席です。

こちらがその電話席です(写真は信南交通796号車)。

メールやLINE等のツールが発達した現代にあっては需要が減少している座席ではありますが、それでもたまに利用している方を見かけます。

個人的には案内放送もこのままがいいな...なんて(^^)

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バスは9時頃に双葉SAに到着しました。ここで15分の開放休憩となります。

定刻からは約15分遅れ。朝の渋滞の遅れをそのまま引きずった形になります。

双葉での休憩中、1243号車の美しいお姿を何枚か頂きます。





天気は最高。お日様のおかげで朝の寒さもいくぶん和らぎましたが、風がやや強い日でした。ポカポカ陽気...というほどではないけれど、それでも厳冬の肌を刺すような寒さを思えば、外にいるのはさほど辛くなかったです。

双葉SAの一角にある双葉東バス停には、茅野駅を発したアルピコ交通3862便の姿がありました。

こちらは、アルピコ交通(茅野営業所)の18063号車でした。信南交通1243号車と同じく2TG-代の車両となります。

もうちょっと待てば飯田線のアルピコ担当便・AK3708便がやってくるはずですが、私が見ていた限り、アルピコ同士での共演は叶いませんでした。

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バスは再び東京への旅路を辿ります。笹子トンネルを抜け、大月から上野原を過ぎて八王子市へ。

山あいの曲がりくねった区間を過ぎ、小仏トンネルを抜けると、最初の降車バス停である中央道八王子に到着します。

バス停の先にある八王子料金所を過ぎると、景色がどんどん変わります。

緑にあふれた景色はあっという間に住宅街へと変わり、ほどなくして工場の立ち並ぶ車窓が見えてきます。

その間にも、中央道日野、中央道府中、中央道深大寺、中央道三鷹のバス停を過ぎ、新宿がどんどん近づいてきます。首都高4号新宿線を暫く走り、永福料金所を過ぎたら、初台ICから国道20号線・甲州街道へ。


ここで、終点のバスタ新宿到着を知らせるアナウンスが入ります。


そうこうしている間に、バスタ新宿のガラス張りの建物が見えてきました。

この旅ももうすぐ終わりです。

ほどなくして甲州街道からバスタ新宿へと右折。
エンジンの唸りを一際高くしながら、バスタ新宿のスロープを3階へと登っていきます。

バスは3階の降車エリアに付けられ、ここでドアオープンです。

府中や首都高などでの混雑もあり、定刻から30分ほど遅れての到着でした。そんな状況下でも、豪華で快適な内装と揺れの少ないドライブで、とても快適に送り届けて頂きました。運転手さん、ありがとうございました(^^)

モデルチェンジにより、外も中も新しく生まれ変わった信南交通のエアロエース。翌年(2018年)には行先表示が白色LED化されたり、車内の案内表示がLED式からLCD式に変わったりするなど、更なる進化を遂げることとなりました。その初代モデルとなった1243号車は、兄弟車の1241号車と共に、ある意味貴重な存在です。

そんな「2点もの」のエアロエース。ご乗車の際には、MS0系の完成度の高さとともに、内装・外装の細かな違いに目を向けてみるのも、面白いのではないでしょうか。  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(0)信南交通乗車記新宿-伊那駒ヶ根線中央高速バス

昨年晩秋、信南交通694号車がひっそりと引退の時を迎えました。

この車は信南交通が2009年初に導入したエアロエースで、同社としては654号車に続き2台目の導入となった車両です。新型コロナウィルス感染症の影響で高速バスが軒並み減便となり、古参勢であるこの車は殆ど運行されなくなりました。感染症の終息を夢見て、車庫の片隅で出番を待っていましたが・・・ついに活躍の時を迎えないまま引退してしまいました。

今回は、そんな信南交通694号車と共にした最後の旅の模様をお送りしていきたいと思います。

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新型コロナウィルス感染症がにわかに拡大の様相を見せてきた頃、折よく694号車が名古屋-伊那箕輪線に入った日がありました。当時、高速バスはまだ通常運行を続けていましたが、乗客だけが目に見えて激減していきました。まだまだ先行きに不安が募る中、ちょうど694号車を狙い撃ちして乗車できるチャンスが訪れていたわけです。

このままの勢いで乗客が減り続けたら、古参車の694号車は引退してしまうかもしれない。そうしたら、694号車にお別れをする機会は二度とやってこないかもしれない・・・。私自身のそんな思いと、同行して下さった方の完璧なプランニングのもと、今回の乗車旅は決行されました。

区間は高森~中津川の往復。短い旅ですが、694号車と旅路を共にすることが目的なのですから、これで十分です。

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名古屋-伊那箕輪線SN14409便
8:30 箕輪発→栄経由・名鉄バスセンター行き

信南交通694号車

車種:三菱ふそう エアロエース
型式:BKG-MS96JP
年式:2008年式(導入は2009年)
ナンバー:松本200か694
所属営業所:信南交通 飯田本社営業所

※現在は引退済み

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遠くから見慣れた信南カラーが近づき、高森BSに到着しました。車両は狙い通り694号車です。早速に乗車扱いを受け、車内へと進みます。

この日は後方に着座。

ここなら、694号車の車内をしっかりと目に焼き付けることができますし、6M70エンジンのサウンドも存分に楽しめます。まさに特等席です♪

スピーカー(サービスボックス)の横に装着された洋服掛け、カーテンの柄なども、信南交通の2012年以前のエアロエース独特の仕様となります。



ただし、各座席にコンセントは非装備です。古参級の車両なため、追加設置がされなかったものと思われます。

独特な唸りを上げるエンジン音を心地よく聴き、流れていく景色をゆったりと眺めつつ、694号車との時間を思い思いに過ごします。

長大な恵那山トンネルを抜け、神坂PAの手前にある馬籠バス停を通過したら、次は降車停留所の中津川です。乗車時間にして約40分。区間利用ができる名古屋線ならではの旅ですが、こんな形での区間利用をする人間は、我々以外だと現地にお住まいの方くらいなんじゃないだろうか(^^;

中津川BSには、ほぼ定刻通り到着です。

本当に短い区間ではありますが、694号車とのラストドライブは、これにて終了となりました。運転手さん、ありがとうございましたm(__)m

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予想通り、私たちがこの旅を敢行してからしばらくして、694号車が稼働することは殆どなくなりました。そして、上述の通り昨年の晩秋には・・・。我ながら、嫌な予想ばかり良く当たるものだと苦々しく思ったものです。この旅に出かけた時は「また復活してくれるだろう」という感じでしたが、それでもこうして狙い乗車に踏み切ったあたり、実際は心のどこかでお別れを予期していたのかもしれないな、と述懐しています。私も名古屋線を中心として何度となくお世話になった車両ですから、思い入れもあります。それだけに、日々の記録や乗車の大切さを実感します。

私自身にも良き思い出をもたらしてくれた694号車の長年の活躍に、心よりの敬意を表して。今まで本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!!  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(3)信南交通乗車記中央道高速バス名古屋-伊那箕輪線
今年も当ブログをご愛顧くださり、誠にありがとうございました。

今年は感染症に始まり、感染症に振り回されて終わるという、本当に大変な年でした。依然として感染症が猛威を振るい、終息の兆しさえ見えない中、先々のことを思うと暗澹とした気持ちになります。

特にバス業界はその影響が大きい業界の一つだっただけに、一人の趣味人として何とかならないものかと歯がゆい思いをしていました。せめて乗って応援できればと思い、今年はいつも以上にバス旅に出かける年としましたが...厳しさは相変わらず。

もう十分に日常のありがたみを思い知ったので、来年こそは状況が好転し、多くの人が安心して旅に出かけられるようになってくれるといいですね!

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さて、毎年恒例となる『今年のバス』、行ってみましょう!

こんなに大変な年でも、私の地元のバスたちはしっかりと1年を彩ってくださいました!!

〇伊那バス

今年の伊那バスは、新車導入こそなかったものの、車両のラッピングが更新される等、目で私たちを楽しませてくれました。その中で私が「今年のバス」に選んだのは、伊那市の大判ラッピングが施された29102号車、30103号車の2台です!

伊那バス29102号車







車種:日野 セレガ
型式:QTG-RU1ASCA
年式:2017年式
ナンバー:松本230え102
所属営業所:伊那バス松川営業所→駒ヶ根営業所


バラ×イーナちゃんの美しいラッピングです。
松川営業所に導入された改良型Sクラスシート車の第1世代です。ここ最近は駒ヶ根営業所に配置され、もっぱら駒ヶ根線を担当しています。なので今回は、伊那バスターミナルとイーナちゃんのショットを選んでみました。

伊那バス30103号車







車種:日野 セレガHD
型式:2TG-RU1ASDA
年式:2018年式
ナンバー:松本230あ103
所属営業所:伊那バス松川営業所


こちらは桜×イーナちゃんのラッピングです。前述の29102号車と同じく改良型Sクラスシート車であり、桜の似合う春にラッピングが施工され、デビューしました。主に飯田線で活躍しており、相方の29102号車と共に中央道を彩ってくれる、美しくも可愛らしい1台です。

〇信南交通

信南交通は、なんといっても3月に導入された2台の新車でしょう。信南交通では初となる「令和顔」のエアロエースです!

信南交通1386号車









車種:三菱ふそう エアロエース
型式:2TG-MS06GP
年式:2020年式
ナンバー:松本200か1386
所属営業所:信南交通 飯田本社営業所


今年3月にデビューした令和顔エアロエースです。新宿線にデビューした初日、思わず双葉SAまで迎えに行ってしまったのは良い思い出です。そんなイベントを経験したものですから、私にとっても忘れられない1台となりました。

信南交通1387号車









車種:三菱ふそう エアロエース
型式:2TG-MS06GP
年式:2020年式
ナンバー:松本200か1387
所属営業所:信南交通 飯田本社営業所


1386号車がデビューした翌日に新宿線デビューを飾った車です。霧が立ち込める早朝の飯田駅までお迎えに上がり、幻想的な写真を頂くことができました。これまた良い思い出です。なお、僚車の1386とともに、ごく最近に乗車が叶った車でもあります。

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さて、2020年を彩った今年のバス、いかがでしたでしょうか。他にも印象深い車はたくさんいましたが、あえて選ぶとすれば...という感じで、この4台を選んでみました。本当に色々なものが変わってしまった1年、そんな中にあっても元気に活躍する地元のバス会社を引き続き応援していきたいと思います。

来たる2021年が、読者の皆様にとって良い年でありますように。そして、一刻も早くこの感染症が終息し、元の日常が戻ってきますように。そんな願いを込めて、本年最後の投稿とさせて頂きます。

来年も引き続き当ブログをご覧くださいますと幸いです。2021年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

バスめいて候ふ(2号車)管理人
むすまる 拝  

Posted by むすまる(2号車) at 22:00Comments(2)信南交通
信南交通946号車に新たなラッピングが施工されました。

ラッピングは 市田柿販売100周年記念ラッピング です。市田柿の商品名で販売を始めたのが1921年とのことで、長い歴史があるんですね~。

ラッピングは、長野県が行う「令和2年度地域発元気づくり支援金【南信州事業】」における市田柿のPRの一環として作成されたもののようです。市田柿は長野県高森町の名物ですが、広告主は飯田市にある市田柿活性化推進協議会となります(詳細はこちら→リンク)。

また、市田柿の商標は、南信州農業協同組合と下伊那園芸農業協同組合の連名で、2006年に登録されています。商品区分は干し柿となっているので、まさしく市田柿そのものを地域全体で盛り上げていこうという気概を感じますね!

真後ろからのショットじゃなくて恐縮ですが、市田柿の美味しそうな写真と、販売開始100周年をアピールする美しいデザインです。

市田柿のおいしさを感じる、なんとも食欲をそそるラッピングに仕上がっています。

ちなみに、市田柿のラッピングは、かつて信南交通794号車にも施工されていました。

現行のラッピングは、この流れを汲むものであることが分かります。

ラッピングを確認する前週、私は偶然、信南交通946号車のラッピング前の姿を目撃していました。

こちらの写真は2020年11月15日に双葉SAで撮影したものです。その翌週、同じく946号車が名古屋線に入るのが確認されているのですが、その時にもラッピングは無かった模様。ということは、ここ1週間くらいで施工されたラッピングである可能性が高く、今回の運行は恐らく初披露となる運行だったと思います。

そんな初運行(?)は、土曜日の3608便でした。

市田柿のアピールという新たな使命を背負い、新宿へと旅立っていきました。今後、ほうぼうの路線で市田柿を派手にPRしてくれることでしょう(^^)

今のところ、このラッピングは1台しか確認されていません。もし見かけたらラッキーです。その幸運にあやかって、見かけたらすぐに市田柿を買いに走るのが良いと思います笑

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【観察データ】

20.11.28
新宿-伊那駒ヶ根線SN3608便

信南交通946号車



車種:三菱ふそう エアロエース
型式:QRG-MS96VP
年式:2014年式
ナンバー:松本200か946号車
所属営業所:信南交通飯田営業所
  

信南交通の令和顔エアロエース乗車記・第2弾です!

今度は 信南交通1387号車 に乗車出来ましたので、レポしていきたいと思います(^^)

前回の記事では、信南交通1386号車の乗車記をお送りしましたので、併せてお楽しみ頂けると幸いです。

★信南交通の新車・令和顔エアロエース乗車記~1386号車~
 http://msmrbus2.naganoblog.jp/e2536354.html

時系列としては、信南交通1386号車に乗車した1週間後のこと。立て続けに信南交通の新車に乗車できたことで、めでたく新車コンプリートとなりました。巡り合わせに感謝しつつ、この日も例によって伊那バス駒ヶ根車庫から乗車旅スタートです!

目指すは終点のバスタ新宿。図らずも、前回の1386号車との旅では叶わなかった通し乗車を実現できました。

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新宿-伊那駒ヶ根線SN3608便
6:52 伊那バス駒ヶ根車庫発→バスタ新宿行き

信南交通1387号車

車種:三菱ふそう エアロエース
型式:2TG-MS06GP
年式:2020年式
ナンバー:松本200か1387
所属営業所:信南交通 飯田営業所

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早朝の伊那バス駒ヶ根車庫に燦然と輝くフロントマスク『ふそうブラックベルト』。紛れもない最新型の証です。前回の1386号車の乗車が夜間だったのですが、今度は明るい時間帯での乗車となりました。夜とはまた違った姿を楽むことができそうです。

うきうきしながら車内へと進みます。

車内は信南交通M0系仕様ともいうべき、MS0系の統一デザイン。シート柄も同じです。



黒塗りの天井と2列のLED照明が美しいです。

最前席には簡易式のシートテーブル。

テーブルまでワインレッドの木目調となっており、とても美しいです。

この日も例によって最前席(2列目)だったので、最新鋭のアクティブセーフティ・ドライバー異常時対応システム(EDSS)の作動ボタンも確認できました。

一目で分かる「非常ブレーキ」の表示によって、視覚的にも非常停止装置であることが分かるようになっています。

自席に着席し、発車の時を待ちます。

車内の電光掲示板がLED式からLCD式に変わったので、撮影時にちらつきを気にしないで済むのは嬉しいです。ちなみに、この掲示板は1306・1307号車(2018年式)からの仕様変更で現行型となり、1241・1243号車はMS9系までと同じLED式です。

その他の車内装備については、上述の1386号車の乗車記をご覧頂ければ幸いです。

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定刻となりました。
バスはドアを閉め、駒ヶ根車庫を発進していきます。

エンジンの唸りが微かに聞こえ、バスはスムーズに加速していきます。ありがちな変速ショックも少なく、朝日の差し込む駒ヶ根市内を、バスは軽快に走っていきます。

次の乗車停留所は駒ヶ根バスターミナル。

駒ヶ根BTは、10月から窓口が閉鎖され、発券所が駒ヶ根営業所に統一されました。それでも、当日はお客さんがまとまって乗車され、結構な利用率を保っている様子がうかがえました。窓口が無くなっても、地域の一大ターミナルとしての位置づけは変わらないようです。

バスは朝日を浴びて国道153号線を走り、宮田村に入ります。

宮田で再び停車し、乗車扱いを行います。

宮田を出て、次のバス停である沢渡へ向かう途中、名古屋へと向かう信南交通989号車とすれ違いました。

信南交通989号車は、現在のところ名古屋行きの始発便となっている14407便を担当しています。

沢渡を過ぎると、河川敷の景色が一気に開けてきます。

季節は着実に秋へと移ってきているようです。それが過ぎたら冬かぁ...なんて考えていたら、軽く身震いがきました。寒い時期のことを考えるのは止しましょう笑

それにしても令和顔エアロエースは、ストップアンドゴーの多い一般道の走行でも非常に揺れが少なく、快適です。MS9系に比べるとサスは固めですが、その分は嫌な感じの揺れが抑えられ、ゆったりと道路の凹凸を捌いていきます。

次の伊那バスターミナルでは、やはりまとまった数のお客さんが乗車されました。

車内は徐々に埋まっていきますが、幸いにしてこの日は隣の方がおられないようです。

伊那インターへと向かう途中で通るバイパスでは、勾配8%の登坂があります。しかし最新鋭のバスはそんな勾配もものともせず、難なく登って伊那インター前バス停へと向かっていきます。

伊那インター前バス停を過ぎ、伊那インターから中央道へと入ります。



高速道路への合流も本当にスムーズで、全然無理している感じがしませんでした。6S10エンジンとShift Pilotの完成度の高さをまざまざと実感します。

中央道に入ってから、当日が早起きだったこともあり、眠気が襲ってきました。睡魔に逆らっても仕方ないので、ここは行っていた作業なども中断し、しばらく夢の中へ...

おっと、気づけば双葉SA手前です。

我ながら最良のタイミングで目覚めるもんだなと自賛しながら、いそいそと降車準備を始めます。

双葉SAでは8:55まで休憩とのこと。
前週の乗車旅とは異なり、すっかり日が昇った双葉SAで、その勇姿をじっくりと拝見します。







いつも見慣れたバス会社だからこそ、モデルチェンジ後の姿というのは特別なもののように感じます。

双葉SA(双葉東バス停)には、同じような時間帯に岡谷駅を出たYK3806便が停車していました。

この日は山梨交通のガーラ2000HD・C792号車(KL-LV774R2)が担当していました♪

短い休憩を終え、バスは再び東京へと向かいます。

笹子トンネルを抜け、大月の山中を抜けていきます。

途中、京王バスX61801号車を追い抜きます。

これは...富士五湖線でしょうか??

この先も道路は極めてスムーズ。大した渋滞に巻き込まれることもなく、バスは東京都へと入ります。中央道八王子バス停より、各バス停にて降車扱いを行っていきます。

いよいよ新宿も近づいて来たなという頃、レジェンドブルーカラーを纏った西武バスのエアロエースを追い抜きます。

車番は1436と読めました。どうやら空連車のようです。

西武バスを追い抜いてほどなく、初台ICより一般道へと下っていきます。


甲州街道を走りがてら、新宿到着の案内放送が掛かります。

時計を見ると、だいぶ巻いて到着する様子です。道路ガラガラだったしなぁ(^^;

そして、終点のバスタ新宿には定刻より13分の早着となりました。

運転手さん、快適で楽しいドライブでした。ありがとうございました!!

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ここまで、信南交通の2020年の新車・1386号車、1387号車の乗車記をお送りしてきました。

幸運とは続くもので、前週に1386号車、今度は1387号車と、なんとまぁポンポンと新車にばかり良く当たってくれたもんです。今までちっとも縁がなかったくせに、当たるとなったら立て続けに新型ばっかり。もう今までのモヤモヤはなんだったのだろうかというくらいです(大歓喜)。まぁ、乗り物趣味なんてのは、そんなものなのかも知れません。

そんな幸運に感謝しつつ、信南交通の最新型エアロエースでの旅を締めくくりたいと思います。令和エースにはこれからもどんどん乗れるようになると思うので、今後に期待ですね!!  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(0)信南交通乗車記新宿-伊那駒ヶ根線中央高速バス
今年3月、信南交通にやってきた文字通りの「新顔」となる2台のエアロエース。デビューから約7ヶ月を経て、ついにその2台に乗車する機会に恵まれましたので、当ブログにてレポして参りたいと思います。

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最初は 信南交通1386号車 から!

新宿からの帰り道、飯田線にて乗車しました。

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新宿-飯田線SN3721便
16:45 バスタ新宿発→飯田(飯田商工会館前)行き

信南交通1386号車



車種:三菱ふそう エアロエース
型式:2TG-MS06GP
年式:2020年式
ナンバー:松本200か1386
所属営業所:信南交通 飯田営業所

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長らく待ちわびた、信南交通の令和顔エアロエースへの初乗車が叶いました\(^^)/

この日はバスタ新宿のBエリアから発車の模様。B4乗り場にいた遠鉄バスの浜松行きもまた「令和顔」だったため、令和顔コンビが実現していました。



MS9系が引退を始めたら、この光景も当たり前になってくるのでしょうか。

さてさて。
運転手さんにケータイ乗車券を見せて改札を完了。ワクワクしながら車内へと入ります。

車内は高級感あふれる「プレミアムライン」の内装。車内デザインは、2017年末に導入された1241・1243号車より続くMS0系仕様に統一されています。そして、これまた2017年式以降の統一仕様ですが、最後部にはパウダールーム付き大型トイレが装備されるようになっています。MS9系(~1208号車)までの後方レイアウトは片側トイレ+電話席という仕様だったので、信南交通の伝統ともいえる仕様から大きく変化があったポイントの一つです。

※この他にも、外見的なところも含めて変化は色々あるのですが、今回は割愛します。

シートはヘッドサポーター付き4列ハイグレードシートです。

このシートが36席並んだ豪華仕様となります。

シートバックには大型のシートテーブルもついています。

スマホ等が置けるので、個人的には重宝しています。

AC100Vコンセントも全ての座席に完備。

車内にはWi-Fiも飛んでいるので、長距離の旅には最適です。

フロアの柄も良い感じ。

これまたMS0系から仕様変更されたものです。ちなみに、この仕様のフロアは高級品らしいです...

フロアに合わせて、カーテン柄も変わりました。

所々に金色の刺繍が入った光沢のある柄です。

そして、最前列にはドライバー異常時対応システム(EDSS)の作動ボタンがあります。

降車ボタンと明確に区別できますが、非常時以外は押さないように!!

豪華で居心地の良い内装に加え、最新鋭の安全装備を携えたピカピカの新車への乗車が叶い、とても嬉しいです。

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この日は運よく2D席が取れたので、自席に着座して発車を待ちます。

ご多分に漏れず...といいますか、感染症対策のため、1番前の座席は使用できなくなっています。これにより、2AB/2CD席が事実上の最前席となっています。

発車時刻となり、バスはゆっくりと発車していきます。MS0系に乗るといつも驚くのですが、その静粛性と振動の少なさは、特筆に値します。

バスタを出ると首都高へ入っていきますが、初台ICの登坂+合流の加速時に前方まで微かなエンジンの唸りが聞こえるくらいで、後は本当に静かなのです。静謐な車内空間と、過度にフワフワさせない揺れで、MS9系に比べても更に乗り心地が改善しているように思います。

気づけばバスは八王子へ。陽もどんどん落ちていきます。

中央道八王子BSを過ぎたら、乗車扱いは終了です。バスはこのまま休憩場所の双葉SAまで直行します。

快適な車内でゆったりと過ごしていたら、あっという間に双葉です。

双葉へ来る頃には、あたりは真っ暗になっていました。

双葉SAでは20分弱の休憩。その隙に、令和顔エアロエースの夜の姿を頂きます♪





その美しい姿に、しばし時間を忘れてのめり込みます。

毎回コメントしてますが、令和顔エアロエースの特徴的な外観は、夜になると殊更引き立ちますね。



随所にイルミネーションがあり、リアのシグネチャーランプもしっかり装備。信南交通さんのこだわりを感じます。

夢中で記録していたら、休憩時間がほとんどなくなってしまいました。発車時刻ギリギリに駆け込むなんて言語道断なので、そくそくとバスに戻ります(^^;

と、入口にあるイルミネーションにも目が留まります。

入口のステップ部まで美しく彩られているのも素敵ですね!

バスへと戻り、再び自席に着座。発車時刻は18:50で、ほぼ定刻通りです。ここから中央道辰野へと向け、もう一走り。

黒々とした夜の諏訪湖を眺め、岡谷JCTを過ぎると、いよいよ辰野から降車扱いが始まっていきます。

新車での旅というのは本当に時間が短く感じます。

辰野→箕輪と過ぎ、私は次の中央道伊那ICで降車です。

途中で降りなきゃいけないのが残念です。。。

伊那ICが近づいてきます。
前モデルよりさらに多段化された排気ブレーキ・リターダーが特徴的な作動音を響かせ、バスが徐々にスピードを落としていきます。

そして、定刻より10分ほど早く、中央道伊那ICバス停に到着です。運転手さん、お疲れ様でした。ありがとうございました!!

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いつもは駒ヶ根まで乗り通すので、辰野到着の案内放送がかかっても「まだまだ」という感じですが、伊那ICで降車となると「え?もう!?」という気持ちになります。特に今回みたいな新車での旅となると、なおのこと。それほどに快適で、いつまでも乗っていたくなるような車内ですが、残念ながらこの日は伊那ICでお別れです。次の機会があれば、是非とも飯田まで乗り通したいですね!

次は同僚の1387号車への乗車旅をお送りしていこうと思います。Twitterをご覧になっている方はお分かりかと思いますが、あろうことか1386に乗車した1週間後に、1387への乗車が叶ってしまいました。しかも今度は朝の便で、明るいところでそのカッコいい姿を存分に堪能できました。

1386号車との特筆すべき内装などの違いはありませんが、明るいところで眺める令和エースへの乗車旅もまた違った楽しみがあって良かったです。次回も是非ご覧くださればと思います♪  

Posted by むすまる(2号車) at 07:00Comments(0)信南交通乗車記新宿-飯田線中央高速バス